活動企画書
2025年5月2日 医学部保健学科3年 井上 幸咲
テーマ
ラジコンカーを用いたストレッチャー代替案の実現可能性の検証。
活動目的と背景
私たちCDP班(チャイルドライブプロジェクト班)の活動目的は、手術を受ける子供たちのストレスを緩和する方法として、「子供たちにラジコンカーに乗って手術室まで移動してもらう」という取り組みが実現可能であるかを検証することです。
私たちは2023年度CDP班の活動を引き継いだ、継続班となります。
2023年度CDP班はオランダの病院で実際に行われているという、ラジコンカーを使った不安緩和の取り組みにインスパイアされ、その取り組みを日本でも実施できないかという考えから発足しました。当初はラジコンカーがもつ小児の不安緩和への効力を測る研究を計画していましたが、評価の難しさ、ラジコンカーに乗ることができる子供とそうでない子供がいるという倫理的問題などを指摘され、まずはその取り組みの実現可能性を測る “Feasibility Study” をすべきではないかという意見があり、計画の変更に至りました。QREC C&C*での採択、入院中の子供たちの絵を貼り付けたオリジナルラジコンカーの作成など達成したことも多くあった一方で、計画の変更により、スケジュールに大きな遅延が生じました。九大病院でのFeasibility Studyは2例のみの実施で終了、結果の考察も行われないまま、不完全な形で終了することとなりました。
多くの人々の努力によって進んできたプロジェクトがこのような形で終わってしまうことは非常に悔しいことです。そこで私たちは今年度再びCDP班を立て、Feasibility Studyの続き及びその結果の考察ができないかと考えました。
*九州大学内の学生企画を支援するコンペティション
活動方法
・2023年度に提出した研究計画書の延長申請をし、九大病院にてFeasibility Studyを10例実施する。気づいたこと、問題点、改善点等を挙げ、この取り組みを実現するにはどういった工夫・改善が必要か、実現の可能性について考察を行う。
・実際にラジコンカーを用いた小児の搬送を実施していると思われる埼玉県立小児医療センターに連絡を取り、見学およびインタビューを行う。実際に取り組みを導入する上で課題になったポイントや工夫している点など、不安緩和の効果ではなく主にプロジェクト実現のためのポイントを中心に情報を収集し、実現の可能性について考察を行う。
活動予定
<前期総会前:活動の準備>
・CDP未経験の班員に対する2023年度の活動内容の共有
・認定番号講習会受講
・ラジコンカーの点検
・埼玉県立小児医療センターへのアポ取り
<7月~10月:臨床研究・研修先での活動>
・研究10例実施
・埼玉県立小児医療センターでの見学およびインタビュー
<後期総会前:考察>
・Feasibility Studyの考察
・見学・インタビュー内容の考察
抱負
新しいことを始める班ではなく、以前の続きをやるだけの班になりますが、ここで実現可能性を示す、つまり「どうやったら実現できるのか」「こういう問題があるから実現できない」などを明らかにすることができれば、次に同じ『小児の不安緩和』というテーマを考えた後輩や他の医療者が、一歩踏み出しやすくなるのではないかと思います。
2023年度CDP班は非常に多くの人と関わりながら、多くの応援を受けながら進んでいったと思います。今年度、結果のまとめと考察をすることで、様々な人の思いを形にすること、またそれを次に繋げていくことができたら幸いです。